
カワウ
冬になると大群で飛来。海岸やダムで集団で羽を乾かす様子を見れる。エメラルドグリーンの目の色が綺麗。
- 漢字表記
- 河鵜、川鵜
- 英語名
- Great Cormorant
- 学名
- Phalacrocorax carbo
- 分類
- カツオドリ目ウ科
- 渡り区分
- 冬鳥
- 体長
- 82cm (アオサギよりやや小さい)
- レッドリスト
- 低危険種(LC)
月別の遭遇しやすさ(個人の経験ベース)
- 沖縄の各所で見られる
- 沖縄の特定地域で見られる
- 沖縄の特定地域でまれに見られる
冬になると沖縄の湿地や湖、ダムなどいろんな場所で遭遇します。


数万羽の群れを形成


カワウは全国的には留鳥ですが、沖縄では毎年10月頃に冬鳥として渡ってきます。ウ科42種類のうち最も分布が広い種です。
カワウは、集団性が強い鳥でよく複数羽一緒にいる様子を見かけます。
採食や就塒では数羽から、時には数万羽の群れを形成するそうです。

カワウが翼を広げる理由


カワウは翼を大きく広げて休んでいる姿をよく見かけます。これは威嚇などではなく、単に羽を乾かしてるそうです。
カワウは魚を捕るために潜りますが、羽毛が水を弾かないため、水中で余計な浮力が生じず、スムーズに潜ることができます。その反面、羽毛の中に空気を溜められず、水を含んでしまうそうです。
そのため、そのままでは体が冷え、飛ぶのも難しくなります。そこで、翼を大きく広げて乾かします。
カモをはじめとする水鳥たちは「尾脂腺(びしせん)」という器官から分泌される脂を羽毛に塗って撥水性を持たせていますが、カワウはその脂を分泌する器官があまり発達していないようです。
鵜飼とカワウ
岐阜の長良川では、1300年の歴史を持つ伝統漁法「鵜飼」が有名です。鵜匠が巧みに鵜を操り、魚を捕らせるこの漁では、ウミウが使われています。しかし、奈良時代以来、カワウを使う地域もあり、中国では現在もカワウが鵜飼に利用されています。
カワウの増加と人間活動への被害
1970年代、日本国内のカワウの繁殖地は不忍池などわずか3カ所にまで減少し、個体数も大きく減っていました。これは、餌資源の減少や有害物質の蓄積が影響したと考えられています。しかし、その後個体数は回復し、現在では最も分布を拡大している種の一つとなりました。
カワウは、餌となる魚がいれば年中いつでも繁殖できるため、個体数の増加が続いています。その結果、漁業への被害が問題視されるようになり、国はカワウの個体数を半数まで減らす計画を進めています。
数年で目標を達成できる可能性もありますが、大規模な個体数調整が行われれば、日本全国からカワウがいなくなってしまうほどの強い影響を与えるかもしれません。かつての1970年代のように激減してしまう未来を想像すると、少し悲しい気持ちになります。
生態系にとって重要な役割もある

参考:
加藤ななえ「カワウの生態」
日本野鳥の会東京「身近な野鳥の識別講座③ カワウの話」
植村慎吾「決定版 見分け方と鳴き声野鳥図鑑350」
国立科学博物館「鳥〜ゲノム解析が解き明かす新しい鳥類の系譜〜」
加藤洋「カワウ被害対策強化の考え方と今後の課題に対する考察」
2016年のカワウ

カワウは集団で木に止まるため、排泄物で一瞬で木が白くなります。
雪が降らない沖縄で、冬を感じる瞬間。
ちなみに、全国でも公園や観光地で、糞や吐き戻しによる木の枯死や景観の悪化も問題となっています。
しかし、一方でこれらの排出物は、水にある栄養素を陸に運ぶ役割を果たしているとも言われているそうです。
枯れた木が堆積し、土壌に豊富な栄養が蓄積され、次世代の植物の成長を促すらしい。特に、栄養供給がない海上の孤島では、鳥類が運ぶ栄養素が生態系にとって重要な役割を担っている可能性があるのだとか。



12月〜1月にかけて沖縄県内でカワウをたくさん見るようになります。
20頭以上の群れが、湖やダムなどに滞在している様子をよくみます。




沖縄以外で見かけたカワウ



- ハヤブサ
- ハヤブサ目ハヤブサ科|冬鳥
- 速さの代名詞

- サシバ
- タカ目タカ科|冬鳥
- 沖縄でもっとも出会う頻度が高い猛禽類。「ピックイー」という声が特徴。秋になると沖縄に来て越冬するため長い期間見ることができる。

- ハシブトアジサシ
- チドリ目カモメ科|夏鳥
- 沖縄では稀にみる珍しめのアジサシ。名前の通り嘴が太い。体長もコアジサシに比べて2回りほど大きく、飛行する様子は迫力がある。

- ヨーロッパトウネン
- チドリ目シギ科|旅鳥
- トウネンよりややスタイリッシュな雰囲気

- カルガモ
- カモ目カモ科|留鳥
- ヒナとお散歩する先端が黄色い嘴のカモ

- 亜種オキナワシジュウカラ
- スズメ目シジュウカラ科|留鳥
- 森でも街でも、どこでもいて、多彩な囀りが聞こえてきます。亜種にあたりシジュウカラより背中の黄色味が薄く、灰色っぽいのが特徴です。

- アオアシシギ
- チドリ目シギ科|冬鳥
- その名の通り青い足と、少し沿った嘴が特徴的なサギ。このサイズのシギの中では、沖縄で通年見ることできる貴重な存在。

- 亜種ダイトウウグイス
- スズメ目ウグイス科|冬鳥
- 囀りは聞くが、姿が見えない代名詞。国内のウグイス4つの亜種のひとつ。これまで「リュウキュウウグイス」と考えられていたが、近年「ダイトウウグイス」いうことが判明。

- ツルシギ
- チドリ目シギ科|冬鳥
- スラリと長い嘴と赤い脚が特徴的。沖縄では比較的珍しい。

- ミフウズラ
- チドリ目ミフウズラ科|留鳥
- まだしっかり観察できていません


