沖縄野鳥
沖縄野鳥

ハシビロガモ

くちばしが特徴のしゃもじカモ

顔つきが似ているカモの中でも、この種だけは特別。
顔の割に嘴が大きく、一度見たら忘れないインパクトのある顔付きをしています。

ハシビロガモは、冬鳥として全国の淡水域に飛来する中型のカモです。沖縄でも冬に姿を見せることがありますが、その数は少なめと言われています。
三角池をはじめ、水田や海岸沿いの汽水域付近でも観察されることがあります。

繁殖地としては北海道のオホーツク海沿岸などが知られています。

ハシビロガモのメス。オスに比べて控えめな色合い - 2025.11.05 沖縄県糸満市
ハシビロガモのメス。オスに比べて控えめな色合い - 2025.11.05 沖縄県糸満市

幅広い“しゃもじ”のようなくちばし

水田で餌を探すハシビロガモ
水田で餌を探すハシビロガモ - 2025.03.11 水田(沖縄県国頭郡国頭村)

「ハシビロガモ(嘴広鴨)」という名前の通り、最大の特徴はその幅広のくちばし。まるでしゃもじのような形をしており、その内側には「板歯(ばんし)」と呼ばれる櫛のような構造があります。これを使って、水中のプランクトンや浮遊物を濾しとって食べるという、ユニークな食事スタイルを持っています。

集団でぐるぐる、渦を巻くカモたち

水上で羽繕いをするハシビロガモ
水上で羽繕いをするハシビロガモ - 2025.03.11 三角池(沖縄県豊見城市)

ハシビロガモは、数十羽で輪になって水面をぐるぐる回るそうです。これは水流を作ってプランクトンや浮遊物を中央に集め、それを効率よく濾しとって食べるための行動だとか。

ハシビロガモはちょっと怖い... 2025.11.29 沖縄県糸満市
ハシビロガモはちょっと怖い... 2025.11.29 沖縄県糸満市

参考

  • 植村慎吾「決定版 見分け方と鳴き声野鳥図鑑350」
  • 高野伸二「フィールドガイド日本の野鳥」
カモ目の仲間