ゴイサギ
夜に狩をする五位の名前を与えれたサギ

- 漢字表記
- 五位鷺
- 英語名
- Black-crowned night heron
- 学名
- Nycticorax nycticorax
- 分類
- ペリカン目サギ科
- 渡り区分
- 留鳥
- 体長
- 58cm (カラスよりやや大きい)
- レッドリスト
- 低危険種(LC)
月別の遭遇しやすさ(個人の経験ベース)
ペンギン...?
はじめて会った時、水際でじっとたたずむその姿とカラーリングを見て、そう思ったのを覚えています。
ペンギンと似たようなフォルムが可愛らしい鳥さんです。その姿からファンも多いらしく「ゴイちゃん」と呼ばれていたりします。
ゴイサギは、かつて沖縄では冬鳥とされていましたが、近年では名護市や金武町などで繁殖が確認され、一部は留鳥として定着しているそうです。現在、沖縄では渡り個体と留鳥個体が混在している状態です。ふと気づくと見ることも多いですが、見ようと思って探すと会えず、会いやすいそうな会いにくいようなそんな感じです。
夜に狩りをするけど...

ゴイサギは夜行性の鳥で、日中は林の中で休み、夕方以降に採食を始めます。川の流れや滝の落ち口付近でじっと獲物を待ち、魚を狙う姿がよく見られます。私が撮影したときも、昼間は木の上で眠っており、日が暮れると池に降りてきました。
しかし、夜行性の鳥でありながら、嗅覚や聴覚が特別発達しているわけではなく、主に視覚に頼って狩りをしているそうです。暗闇の中でも視力が頼りとは、大丈夫なのでしょうか???
大層な名前の由来
ゴイサギという名の由来には、平安時代の逸話があります。醍醐天皇が京都の神泉苑(京都市の二条城近く)でゴイサギを見つけ、捕らえるように命じたところ、このサギは家来が近づいても逃げずに大人しく捕まりました。これを「命令に逆らわず神妙である」として、平安貴族の位階である「五位」の位を賜ったのが名前の由来だそうです。なんとも格式高い鳥様です。

その一方で、かつては最も多くいたサギであり、美味しいためによく食べられていたそうです。特に夏の味が良いとされ、鷹や弓を使って捕らえ、吸い物や「杉板焼き」という料理で楽しまれていたとのこと。
幼いゴイサギは別の鳥みたい
ペンギンのようなゴイサギですが、幼鳥の姿は全く以外ます。
全身は茶色で、目も赤ではなく黄色。あまりにも大人と違うので「ホシゴイ」と呼ばれています。
私も最初みたときは、猛禽類か何かかなと思いました。

参考:
川上和人・田中聡「沖縄県小浜島の路上におけるゴイサギの待ち伏せ型採食行動」
日本野鳥の会京都支部「ゴイサギ 鳥ビア」
植村慎吾「決定版 見分け方と鳴き声野鳥図鑑350」
高野伸二「フィールドガイド日本の野鳥」
沖縄以外で撮影したゴイサギ


