シロチドリ

    沖縄の多くの海岸で見かけることができ、沖縄で繁殖する唯一のチドリ類です。とても小柄で、近くにいても気づかない時があるほどです。

    漢字表記
    白千鳥
    沖縄での呼称
    チジュヤー
    英語名
    Kentish plover
    学名
    Charadrius alexandrinus
    分類
    チドリ目チドリ科
    渡り区分
    留鳥
    体長
    18cm (スズメよりやや大きい)
    レッドリスト
    絶滅危惧II類(VU)

    月別の遭遇しやすさ(個人の経験ベース)

    1月
    2月
    3月
    4月
    5月
    6月
    7月
    8月
    9月
    10月
    11月
    12月
    • 沖縄の各所で見られる
    • 沖縄の特定地域で見られる
    • 沖縄の特定地域でまれに見られる

    沖縄の海岸で、今日は鳥がいないなぁと思っても、よく見るとシロチドリだけいる時がよくあります。
    夏になると、沖縄の海はシギ・チドリ類がみんな北に渡ってしまい鳥がいなくなってしまうのですが、シロチドリだけは安定しています。

    とても小さいのでよく目を凝らさないと見逃しますが、岩場や砂の上を爆走して駆け回るので、動いてくれさえすればすぐわかります。
    こちらがしばらくじっとしていると、駆け寄ってきてくれることもしばしば。

    シロチドリは、全国の海岸や河川、埋立地などで繁殖すると言われています。北日本では夏鳥として見られ、それ以外の地域では留鳥として定着しています。沖縄では県内の砂浜や埋立地で少数が繁殖していて、沖縄で繁殖する唯一のチドリ類とされています。そのため、夏になっても見ることができるのですね。冬期には渡来個体も加わり、数が増えます。

    沖縄では、一年を通し干潟や砂浜でよく見かける印象があるのですが、長年にわたって個体数は減少傾向にあるそうです。特に、砂浜への4WD車両の乗り入れや無人島の観光開発など、人間の影響による営巣地の減少が問題だそう。

    砂の上で繰り広げられるユニークな繁殖行動

    シロチドリ:頭が黒いのはオス - 2025.01.26 沖縄県南城市
    頭が黒いのはオス - 2025.01.26 沖縄県南城市
    シロチドリ:頭が黒くないのはメス - 2025.01.26 沖縄県南城市
    頭が黒くないのはメス - 2025.01.26 沖縄県南城市

    シロチドリは、コチドリやイルカチドリと比べて砂地や砂泥地を好みます。繁殖期になると、オスは砂地にいくつも窪みを作り、ディスプレイを行います。冠羽や背の羽毛を立てながらメスを呼びますが、メスが気に入った窪みを見つけると、オスを押しのけて自ら入るという独特の行動が見られます。メスが選んだ窪みに対し、オスと協力して小石や貝殻を集めて巣を完成させるそうです。

    シロチドリ:子育て中 - 2026.05.21 沖縄県豊見城市
    子育て中 - 2026.05.21 沖縄県豊見城市

    疑傷行動

    育雛期には親鳥が「疑傷行動」をとり、雛に人や天敵が近づくと、自分が傷ついたふりをして相手の注意を引きつけ、雛を守る姿が見られます。
    羽を広げてバタバタさせながら、お腹を擦り付けれがらよろよろ歩いていました。
    おそらく私の立っている反対側の藪の中に雛がいて、そちら側に行かないように注意を逸らしていたのかもしれません。

    シロチドリ:偽傷行動 - 2026.05.24 沖縄県南城市
    偽傷行動 - 2026.05.24 沖縄県南城市
    シロチドリ:偽傷行動 - 2026.05.24 沖縄県南城市
    偽傷行動 - 2026.05.24 沖縄県南城市

    上記の写真は「偽傷行動」と知らずに撮影したものです。
    偽傷行動を行う場合は、近くに雛がいて、命懸けで守ろうとしているので速やかに離れる必要があります。
    慣れてくるとこの姿勢になる前に、鳴き声で警戒してるかは分かると、後日、バーダーさんに教えていただきました。

    採餌

    シロチドリ:干潟でカニを食べる様子 - 2026.03.18 沖縄県糸満市
    干潟でカニを食べる様子 - 2026.03.18 沖縄県糸満市
    シロチドリ:芝生でコガネムシらしき虫を採餌する様子 - 2026.05.21 沖縄県豊見城市
    芝生でコガネムシらしき虫を採餌する様子 - 2026.05.21 沖縄県豊見城市

    集団でワタワタする姿が愛らしい

    シロチドリ:集団でいる様子 - 2025.01.26 沖縄県南城市
    集団でいる様子 - 2025.01.26 沖縄県南城市

    シロチドリの雄の繁殖羽は、頭頂から後頭部が橙褐色で、胸の中央には切れた黒い帯があります。雌や非繁殖羽では、この黒い模様がなく、全体的に淡い色合いをしています。幼鳥も雌に似た姿をしており、淡褐色の体に紅色がかった脚が特徴的です。

    シロチドリ:おそらく夏羽 - 2025.06.08 沖縄県南城市
    おそらく夏羽 - 2025.06.08 沖縄県南城市


    集団でいることが多く、波打ち際では10羽ほどの群れがワタワタと走り回る姿が見られ、時折波に足をすくわれてバランスを崩す時もあります、見ていてほっこりします。

    シロチドリ:フワッとしてブルブルするシロチドリ
    フワッとしてブルブルするシロチドリ - 2025.05.28 海岸(沖縄県糸満市)
    シロチドリ:飛び立つ前に羽のストレッチをする様子 - 2025.06.27 海岸(南城市)
    飛び立つ前に羽のストレッチをする様子 - 2025.06.27 海岸(南城市)

    足環のあるシロチドリ「PA0」

    シロチドリ:オレンジのフラッグのあるシロチドリ
    オレンジのフラッグのあるシロチドリ - 2025.08.17 海岸(沖縄県糸満市)

    こちらは、米須海岸で見かけたシロチドリ。
    Xのフォロワーの方から情報をいただき、この個体は2020年4月11日に沖縄本島で足環が装着され、「PA0」という番号が付けられたことが判明しました。
    当初はオレンジのフラッグの上に青いフラッグが重ねられており、その青いフラッグに「PA0」と記されていましたが、現在は破損して失われているとのことです。
    足環装着からすでに5年以上が経過しており長生きです。今も米須海岸で仲間とともに元気に暮らしています。

    シロチドリ:仲間と暮らすPA0のシロチドリ
    5年経過後も元気に仲間と暮らすPA0 - 2025.08.17 海岸(沖縄県糸満市)
    シロチドリ:排泄する様子 - 2026.06.21 沖縄県糸満市
    排泄する様子 - 2026.06.21 沖縄県糸満市

    2026年のシロチドリ

    シロチドリ:冬のシロチドリはまん丸でかわいい - 2026.01.12 沖縄県沖縄市
    冬のシロチドリはまん丸でかわいい - 2026.01.12 沖縄県沖縄市
    シロチドリ:こちらは夏羽 - 2026.01.12 沖縄県沖縄市
    こちらは夏羽 - 2026.01.12 沖縄県沖縄市

    同じ場所で、同じ時間に見かけた2匹でしたが、
    1匹はもう夏羽になってきていました。
    頭がが明るい茶色になり、前頭の部分が黒がくなります。

    シロチドリ:DCA(成鳥夏羽)雄のシロチドリ - 2026.03.18 南城市
    DCA(成鳥夏羽)雄のシロチドリ - 2026.03.18 南城市
    シロチドリ:DCA(成鳥夏羽)雄のシロチドリ - 2026.03.18 南城市
    DCA(成鳥夏羽)雄のシロチドリ - 2026.03.18 南城市

    この個体は、額と首回りに、はっきりとした黒い模様がありますね。
    雨覆や風切羽も綺麗ですし、時期的にも Alternate plumage(成鳥夏羽)かと思います。
    頭部の茶色もはっきりでていますね。茶色の部分は薄い個体もいて、個体差があるようです。

    シロチドリ:青黄の足環個体 - 2026.3.18 沖縄県南城市
    青黄の足環個体 - 2026.3.18 沖縄県南城市

    シロチドリ:シロチドリの群れ - 2026.03.29 沖縄県沖縄市
    シロチドリの群れ - 2026.03.29 沖縄県沖縄市

    満潮の干潟。限られた陸地におよそ50匹のシロチドリが集まっていました。

    シロチドリ:DCA(成鳥夏羽)雄のシロチドリ - 2026.04.05 沖縄県糸満市
    DCA(成鳥夏羽)雄のシロチドリ - 2026.04.05 沖縄県糸満市
    シロチドリ:DCA(成鳥夏羽)雄のシロチドリ - 2026.05.17 沖縄県南城市
    DCA(成鳥夏羽)雄のシロチドリ - 2026.05.17 沖縄県南城市
    シロチドリ:5月なのに Basic plumage(冬羽) っぽい、もしくはメス?? - 2026.05.19 沖縄県南城市
    5月なのに Basic plumage(冬羽) っぽい、もしくはメス?? - 2026.05.19 沖縄県南城市
    シロチドリ:DCA(成長夏羽)オス - 2026.05.21 沖縄県糸満市
    DCA(成長夏羽)オス - 2026.05.21 沖縄県糸満市
    シロチドリ:FPA? - 2026.05.21 沖縄県糸満市
    FPA? - 2026.05.21 沖縄県糸満市
    シロチドリ:FCF(第一回冬羽) - 2026.05.21 沖縄県南城市
    FCF(第一回冬羽) - 2026.05.21 沖縄県南城市
    シロチドリ:FCF(第一回冬羽)- 2026.05.21 沖縄県糸満市
    FCF(第一回冬羽) - 2026.05.21 沖縄県糸満市
    シロチドリ:青黄青黄の足環個体 - 2026.5.27 沖縄県南城市
    青黄青黄の足環個体 - 2026.5.27 沖縄県南城市
    シロチドリ:DCA(成鳥夏羽)青橙赤白の足環個体 - 2026.06.03 沖縄県糸満市
    DCA(成鳥夏羽)青橙赤白の足環個体 - 2026.06.03 沖縄県糸満市
    シロチドリ:DCA(成鳥夏羽オス)青橙赤白の足環個体 - 2026.06.03 沖縄県糸満市
    DCA(成鳥夏羽オス)青橙赤白の足環個体 - 2026.06.03 沖縄県糸満市
    シロチドリ:FCA(第1回夏羽メス)- 2026.06.03 沖縄県糸満市
    FCA?(第1回夏羽メス)- 2026.06.03 沖縄県糸満市
    シロチドリ:オオメダイチドリと比較するとかなり小さい - 2026.06.03 沖縄県糸満市
    オオメダイチドリと比較するとかなり小さい - 2026.06.03 沖縄県糸満市
    シロチドリ:台風後のためか眠そうだった - 2026.06.03 沖縄県糸満市
    台風後のためか眠そうだった - 2026.06.03 沖縄県糸満市
    シロチドリ:雛と一緒に駆け回っていました - 2026.06.23 沖縄県南城市
    1ヶ月前ほど警戒して鳴いていたシロチドリ。おそらくその時は卵があったのか、久しぶりに見にいくと雛と一緒に元気に駆け回っていました - 2026.06.23 沖縄県南城市

    参考:
    沖縄県「改訂・沖縄県の絶滅のおそれのある野生生物 第3版(動物編)」
    植村慎吾「決定版 見分け方と鳴き声野鳥図鑑350」
    高野伸二「フィールドガイド日本の野鳥」
    沖縄野鳥研究会「沖縄の野鳥」

    チドリ目の仲間
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