
亜種ダイトウウグイス
囀りは聞くが、姿が見えない代名詞。国内のウグイス4つの亜種のひとつ。これまで「リュウキュウウグイス」と考えられていたが、近年「ダイトウウグイス」いうことが判明。
- 沖縄での呼称
- チョチョナー/チュッチュナー/チョッチョロー/チョッチョングヮーなど(『与那原町史 与那原の自然と人』与那原町教育委員会 p.131)
- 英語名
- Bush warbler
- 学名
- Cettia diphone restricta
- 分類
- スズメ目ウグイス科
- 渡り区分
- 冬鳥
- 体長
- 16cm (スズメよりやや大きい)
- レッドリスト
- 絶滅危惧IB類(EN)
月別の遭遇しやすさ(個人の経験ベース)
- 沖縄の各所で見られる
- 沖縄の特定地域で見られる
- 沖縄の特定地域でまれに見られる
ウグイスは日本全国に分布する鳥で、国内には4つの亜種が存在します。北海道から九州まで広く分布する「ウグイス」の他、南西諸島に生息する「リュウキュウウグイス」、小笠原諸島に生息する「ハシナガウグイス」、灰色がかった「カラフトウグイス」です。
沖縄本島では、これまで「リュウキュウウグイス」が留鳥として生息していると考えられていました。しかし、近年の研究により、沖縄島にいるウグイスは「ダイトウウグイス」いうことがわかりました。
ダイトウウグイスの再発見
ダイトウウグイスは1922年に南大東島の固有亜種として記録されましたが、その後、絶滅したと考えられていました。要因としては、南大東島の開拓による生息環境の消失や、ネコ・ネズミ等の外来捕食者による影響が指摘されています。そのため、環境省も2006年版レッドリストでダイトウウグイスを「絶滅 EX」として扱い、公的にも消滅した鳥と位置づけられました。
しかし、近年の調査により、沖縄本島には「灰緑色」のウグイスに混じって「赤褐色」のウグイスが存在することが確認されました。京都大学の梶田学氏らはその差異に着目し、沖縄本島産ウグイスの体色や計測値を詳細に解析して、他地域の亜種との比較を行いました。その結果、沖縄本島の赤褐色型ウグイスは形態的にダイトウウグイスの記載特徴と一致するとの結論に達し、2002年に「沖縄島に生息するウグイスの二型」についての研究報告の中で「沖縄本島の褐色型ウグイスはダイトウウグイスではないか」と発表しました。
さらに、翌年2003年4月には、大阪市立大学の高木昌興氏と松井晋氏が、南大東島でウグイスが繁殖していることを確認、2008年5月にも、奄美群島の喜界島でついに繁殖中の集団が発見され、少なくともオス10羽・メス5羽の成鳥と7つの巣が確認されたと発表されました。
よって、ダイトウウグイスは「絶滅種」ではなく沖縄本島や周辺離島に生息していたことが裏付けられ、環境省のレッドリスト2017年版では「ダイトウウグイス」の再評価を行い「情報不足 DD」へと変更になりました。
https://www.env.go.jp/content/900510134.pdf
リュウキュウウグイスとは

沖縄島にいるウグイスのうち、「赤褐色型のウグイス」はダイトウウグイスということはわかりましたが、もう一方の「灰緑色のウグイス」は一体なんでしょうか?
梶田氏らの研究によると、従来リュウキュウウグイスとされてきた灰緑色型のウグイスについては、実はサハリンや南千島で繁殖する亜種カラフトウグイスで冬に渡来した個体だった可能性が高いとされています。
つまり、従来リュウキュウウグイスと思われたいものは「ダイトウウグイス」と「カラフトウグイス」の2亜種が混在したものでした。
そのため、沖縄本島にリュウキュウウグイスという独立した亜種は存在しない可能性が高いと思われます。環境省のレッドリスト2017年版でもリュウキュウウグイスはダイトウウグイスと同一の亜種とみなされて統合されています。
本記事はリュウキュウウグイスと記載しておりますが、正しくはダイトウウグイスもしくはカラフトウグイスかと思われます。識別できるようになったら改めて分割して書きなおす予定です。
まとめ:
リュウキュウウグイス(下記のいずれかで存在しない)
└ ダイトウウグイス(留鳥・赤褐色)
└ カラフトウグイス(冬鳥・灰緑色)
ウグイスの鳴き声

ウグイスといえば「ホーホケキョ」の鳴き声が有名ですが、これは繁殖期のオスが縄張りを主張し、メスを呼ぶための鳴き声です。ただし、繁殖期以外のウグイスは「チャ、チャ」と地味な鳴き方をするため、あの美しい声を聞けるのは春だけです。
鳥の囀りといえばウグイスですが、実際に他の鳥に比べて鳴く頻度が格段に高く、耳にする機会も多いようです。どうやら多い時には1日に2000回も囀るのだとか。囀る場所は基本的に藪の中です。そのため、声は聞こえても姿が見えないことがよくあります。
また、江戸時代以前には「うーぐいす」と聞こえていたと言われ、古今和歌集にもその表現が見られます。現在では「法、法、法華経」とも聞き流されることがあり、日本の春の風物詩となっています。
レッドリストの変更
環境省の第5次レッドリストで危険度が上がりました。
レッドリスト | カテゴリー |
|---|---|
2020年(第4次レッドリスト) | 情報不足(DD) |
2026年(第5次レッドリスト) | 絶滅危惧IB類(EN) |
2026年のウグイス

参考:
植村慎吾「決定版 見分け方と鳴き声野鳥図鑑350」
高野伸二「フィールドガイド日本の野鳥」
梶田学・真野徹・佐藤文男「沖縄島に生息するウグイスCettia diphoneの二型について -多変量解析によるリュウキュウウグイスとダイトウウグイスの再評価」
公益財団法人 山階鳥類研究所「絶滅鳥ダイトウウグイスが復活?~ワークショップ「ダイトウウグイスとは何者か?」~」
国立科学博物館「ダイトウウグイスの巣と卵の発見・撮影に成功」
松田道生「鳥はなぜ鳴く?ホーホケキョの科学」

- ホントウアカヒゲ
- スズメ目ヒタキ科|留鳥
- 沖縄本島と周辺の島のみに生息する固有種。とても綺麗な声で囀る。割と人懐っこく、目の前までやってくるという話もよく耳にする。

- 亜種リュウキュウキビタキ
- スズメ目ヒタキ科|留鳥
- 沖縄で最も黄色い鳥のはず。沖縄県内では、留鳥のリュウキュウキビタキの他、沖縄県外で見れられるキビタキも旅鳥としてみられる。

- 亜種リュウキュウサンショウクイ
- スズメ目サンショウクイ科|留鳥
- 最近は本州にも生息域を拡大中

- 亜種リュウキュウヒヨドリ
- スズメ目ヒヨドリ科|留鳥
- 島ごとにヒヨドリの亜種が存在し、沖縄島にいるのはこの亜種。ヒヨドリに比べて全体的に茶色い体です。

- ヒヨドリ
- スズメ目ヒヨドリ科|留鳥
- 沖縄では珍しい

- シロガシラ
- スズメ目ヒヨドリ科|留鳥
- 畑の近くでよくいて、綺麗な声で囀っている。もともと沖縄にいなかったが、どのような経緯か大繁殖し、今では沖縄で最も身近な種の1つとなっている。

- イソヒヨドリ
- スズメ目ヒタキ科|留鳥
- 沖縄で一番身近で遭遇率の高い。堂々としていてあまり逃げない。美しいで囀りますが、割と近くで鳴かれると騒がしくもある青い鳥。

- エゾビタキ
- スズメ目ヒタキ科|旅鳥
- 秋にやってくるヒタキ

- オオルリ
- スズメ目ヒタキ科|夏鳥
- 観察できるほど見れていない

- アカハラ
- スズメ目ヒタキ科|冬鳥
- まだしっかりと観察できていません

- ハクセキレイ
- スズメ目セキレイ科|冬鳥
- 沖縄もっともよく会えるセキレイ。海から畑まで様々なところに現れます。灰色や黒など多種多様な色のパターンがある。

- キセキレイ
- スズメ目セキレイ科|冬鳥
- お腹の黄色がトレードマーク

- ツメナガセキレイ
- スズメ目セキレイ科|旅鳥
- その名前の通り爪が長い旅鳥

- キガシラセキレイ
- スズメ目セキレイ科|冬鳥
- 顔だけ真っ黄色なセキレイ

- タヒバリ
- スズメ目セキレイ科|冬鳥
- ヒバリと思いきやセキレイ

- ムクドリ
- スズメ目ムクドリ科|留鳥
- 沖縄ではあまり見かけない

- シロハラ
- スズメ目ヒタキ科|冬鳥
- 地面をぴょんぴょん跳ねて獲物を探す

- 亜種リュウキュウハシブトガラス
- スズメ目カラス科|留鳥
- 沖縄はハシボソガラスは稀な鳥なため、全てこの種。ハシブトガラスの亜種で、身体が小柄なのため比較的違いはわかりやすい。

- 亜種シマアカモズ
- スズメ目モズ科|冬鳥
- モズは沖縄県外ではよく見かける鳥ですが、沖縄ではほぼ見かけることがなく、代わりにシマアカモズがいます。

- スズメ
- スズメ目スズメ科|留鳥
- 街に暮らす最もポピュラーな鳥、比較的によく見る鳥ではあるが、沖縄県外に比べて、見かける頻度は若干少ない

- シロハラクイナ
- ツル目クイナ科|留鳥
- ペンギン柄のクイナ

- ヒバリシギ
- チドリ目シギ科|旅鳥
- 短な嘴がキュートなシギ

- ハマシギ
- チドリ目シギ科|留鳥
- とても小さいシギ。よく大群で砂浜を駆け回っている動画を見るが、沖縄ではまだその光景は見たことはない。

- ユリカモメ
- チドリ目カモメ科|冬鳥
- 赤い足と嘴が特徴的なカモメ。沖縄県外では、どこでも見かけますが、沖縄では非常に珍しく油断すると会えない年もあります。

- コムクドリ
- スズメ目ムクドリ科|夏鳥
- 夏になると沖縄で南部の方で見かける。夕方、300匹以上の群れで、ねぐら入りする様子も観察できる。

- エリマキシギ
- チドリ目シギ科|旅鳥
- カールする尾羽がオシャレ

- 亜種リュウキュウキジバト
- ハト目ハト科|留鳥
- 屋久島から南西諸島で留鳥。キジバトの亜種。全体的に赤みの強い濃色などの差があるが、屋外での識別は困難。お馴染みのデーデーポッポで鳴く。

- サルハマシギ
- チドリ目シギ科|旅鳥
- 夏羽は全身が鮮やかな赤褐色に変化

- ヤンバルクイナ
- ツル目クイナ科|留鳥
- 沖縄北部のやんばるの森のみに生息する固有種。沖縄で最も有名な鳥で、様々なキャラクターにもなっている。日本で唯一の飛べない鳥。

- 亜種オキナワシジュウカラ
- スズメ目シジュウカラ科|留鳥
- 森でも街でも、どこでもいて、多彩な囀りが聞こえてきます。亜種にあたりシジュウカラより背中の黄色味が薄く、灰色っぽいのが特徴です。