沖縄野鳥
沖縄野鳥

リュウキュウサンショウクイ

最近は本州にも生息域を拡大中

沖縄県や南西諸島、九州南部に留鳥として生息するリュウキュウサンショウクイ。もともとは南西諸島に限られた鳥でしたが、最近では四国や本州にも生息地を拡大しているそうです。さらに、1980年代後半から分布が北上し、関東での記録も増えているそうです。
サンショウクイという名前を聞くと「山椒を食べるのかな?」と思いがちですが、実際には昆虫を捕食する動物食の鳥です。名前の由来は、その鳴き声が「ヒリリー」と聞こえ、山椒のピリリとした刺激を連想させることから名付けられたのだとか。

サンショウクイとの違い

リュウキュウサンショウクイ
目の周りの上下のラインが特徴的 - 2025.02.02 林(沖縄県国頭郡金武町屋嘉)
お腹の周りもサンショウクイに比べて灰色 - 2025.02.02 林(沖縄県国頭郡金武町)
お腹の周りもサンショウクイに比べて灰色 - 2025.02.02 林(沖縄県国頭郡金武町)

リュウキュウサンショウクイは、サンショウクイとは別の種(昔は亜種だった)で、非常によく似ています。見分けるポイントはいくつかあり、
• 目の周辺に白いラインがある(サンショウクイにはない)
• おでこの白い部分が狭い
• お腹が灰色(サンショウクイは白っぽい)
らしいです。おでこの白い部分が少ない分、サンショウクイよりスタイリッシュに見えます。

目元の黒い帯といい尾のバランスといい、カッコよく。沖縄のカッコいい野鳥ランキングあれば、結構上位を狙えるかなと思っています。

リュウキュウサンショウクイのメスは、色が灰色 - 2025.10.26 沖縄県南城市
リュウキュウサンショウクイのメスは、色が灰色 - 2025.10.26 沖縄県南城市

市街地にも適応するサンショウクイ

リュウキュウサンショウクイ
スタイリッシュなフォルム - 2025.02.02 林(沖縄県国頭郡金武町屋嘉)

サンショウクイは、基本的に山林を好む鳥ですが、リュウキュウサンショウクイはより市街地に近い場所で巣を作る傾向があるそうです。巣のサイズも本家サンショウクイより小さく、産卵数も約半分と少なめ。都市環境にも適応しながら、少しずつ分布を広げていることがわかります。

飛行するリュキュウサンショウクイ
飛行するリュキュウサンショウクイ - 2025.10.27 沖縄県南城市

参考:
嵩原建二 「沖縄島で留鳥として生息する貴重な3亜種の繁殖記録について」
植村慎吾「決定版 見分け方と鳴き声野鳥図鑑350」
高野伸二「フィールドガイド日本の野鳥」

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