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沖縄野鳥

イソヒヨドリ

    沖縄で一番身近な美しい声でさえずる青い鳥

    漢字表記
    磯鵯
    沖縄での呼称
    スーサー / イシスーサー
    英語名
    Blue Rock Thrush
    学名
    Monticola solitarius Linnaeus
    分類
    スズメ目ヒタキ科
    渡り区分
    留鳥
    体長
    26cm (ヒヨドリよりやや小さい)
    レッドリスト
    低危険種(LC)

    月別の遭遇しやすさ(個人の経験ベース)

    1月
    2月
    3月
    4月
    5月
    6月
    7月
    8月
    9月
    10月
    11月
    12月
    住宅街でも遭遇 - 2025.01.25 住宅街(与那原町与那原付近)
    どこでみ見かける -2025.02.02 ホテルムーンビーチ(沖縄県恩納村前兼久)

    イソヒヨドリは、私が最初に名前を覚えた鳥です。美しいメロディで鳴くのが特徴で、朝、自宅のベランダで気持ちよさそうにさえずっている姿をよく見かけます。海辺ではもちろん、森や住宅街でも姿を見かけることが多く、沖縄ではスズメよりも圧倒的に遭遇率が高い気がします。
    沖縄では、そこら辺の屋根にいるので、カーラバンサー(瓦番鳥)と呼ばれています。

    もともとは岩礁海岸に生息する鳥でしたが、1990年代以降、徐々に内陸部でも繁殖するようになりました。現在では、コンクリートの建物の隙間やベランダの裏、電柱の影など、都会の中にも巣を作るようになり、都市鳥としての一面も持っています。特に繁殖期には、昼夜を問わず複雑なさえずりを響かせ、本によっては「ホイピーチョイチョイ、ツツピーコー」などさまざまな表現で鳴き声が紹介されています。夜中に歌っていることもあり、その存在感はなかなかのもの。

    鮮やかなオスと落ち着いたメス

    鮮やかな色のオス - 2025.02.01 住宅街(沖縄県中城村)
    控えめな色のメス - 2025.08.20 畑(沖縄県金武町)
    控えめな色のメス - 2025.08.20 畑(沖縄県金武町)

    イソヒヨドリのオスは、鮮やかな青色の羽が特徴的で、日の光を浴びると美しく輝きます。人気のルリビタキにも負けていません。
    一方、メスは控えめな灰褐色で、一見地味に見えますが、その落ち着いた色合いもまた魅力的です。
    どちらも岩や松の枝、電柱、屋根などに直立するような姿勢でとまることが多く、地面に降りていることもあります。

    イソヒヨドリのお腹の羽部分を拡大
    イソヒヨドリのお腹の羽部分を拡大

    近くで見るとオレンジの部分も模様がついた羽になっていて、立体感のある美しさがあります。

    イソヒヨドリ顔のクローズアップ
    イソヒヨドリ顔のクローズアップ

    顔の周りは鮮やかな瑠璃色から落ち着いた藍色まで、様々な青色の羽があります。

    イソヒヨドリのメスは控えめな色ながら、それはそれでかっこいい雰囲気 - 2025.10.23 沖縄県西原町
    イソヒヨドリのメスは控えめな色ながら、それはそれでかっこいい雰囲気 - 2025.10.23 沖縄県西原町
    植物を運ぶイソヒヨドリ
    植物(シマグワの実)を運ぶイソヒヨドリ - 2025.04.20 住宅地(沖縄県今帰仁村)

    昆虫や爬虫類、植物の実などを食べる雑食性の鳥で、ゴキブリまでもを食べることでも知られています。また、島間を移動することで植物の種を運び、植生の広がりに貢献していると考えられています。しかし、最近では内陸部で分布を広げた個体が、ツバメやムクドリの巣を襲い、ヒナを捕食する様子も観察されるようになりました。案外お強いのね。

    大型ツグミかと思いきや…

    その体の大きさから、大型のツグミ類かと思われていたイソヒヨドリですが、遺伝的には「ジョウビタキ」や「ノビタキ」などの小型ツグミに近いことがわかり、ヒタキ科に分類されています。単独で行動し、群れることはないのも特徴の一つです。

    イソヒヨドリは、沖縄の日常でよく目にする鳥です。逃げることも少なく、じっくりと観察したり撮影したりできるのも魅力のひとつです。
    特に、宮古島は島のどの部分も海から近いためか、イソヒヨドリの数が多い気がします。開けた海岸線や低層の建物が多いこと、天敵のヘビやマングースがないなことが要因かもいしれません。

    宮古島のイソヒヨドリ
    宮古島のイソヒヨドリ 目線と同じ高さの塀にいても逃げない - 2025.04.04 街(沖縄県宮古島市)
    岩と同化するイソヒヨドリ
    海岸の岩と同化するイソヒヨドリ - 2025.03.27 辺戸岬(沖縄県国頭郡国頭村辺戸)
    お腹側から見ると赤い
    お腹側から見ると赤い - 2025.04.19 街(沖縄県今帰仁村)
    豪雨に耐えるイソヒヨドリ
    豪雨に耐えるイソヒヨドリ - 2025.10.20 沖縄県南城市
    ビーチの入り口にいるから人に慣れていた - 2025.12.06 沖縄県宮古市
    ビーチの入り口にいるから人に慣れていた - 2025.12.06 沖縄県宮古市

    参考:
    植村慎吾「決定版 見分け方と鳴き声野鳥図鑑350」
    国立科学博物館「鳥〜ゲノム解析が解き明かす新しい鳥類の系譜〜」
    高野伸二「フィールドガイド日本の野鳥」
    漫湖水鳥・湿地センター「漫湖いきもの図鑑」
    国立科学博物館「鳥類音声データベース」

    スズメ目の仲間